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「エコなコンビニ」オープンします

2009年06月22日 青山光彦


 京都市役所庁舎で、環境配慮型のコンビニ「エコ・コンビニ みやこスタイル」が6月23日にオープンを迎えた。これは店内でペットボトルやビン、缶入り飲料を販売せず、来店者が持参した「マイボトル」「マイカップ」に飲料を注ぐディスペンサ方式(250mlで50円)を採用するなど、環境にやさしいコンビニの実現を図るために、3ヶ月程度社会実験として行うものである。
 その他にも、マイバッグ・マイ箸の推進、LED照明の導入、天然ガス配送車の使用、グリーン電力証書の購入など「エコ・コンビニ」として積極的な環境配慮対策に取り組んでおり、ごみ減量という目的以外にも、省エネ対策、温暖化対策も視野に入れた店舗運営を行っている。(この他、障害者就労の側面もある。)

 こうした取り組みは全国初となり、また、マイバッグ・マイ箸の推進を同時に行うのはコンビニエンスストアでは初めてだそうで、実施体制も、京都市と運営主体である京都2Rシステムプロジェクト(NPO法人プラスワンネットワーク、NPO法人地域環境デザイン研究所ecotone)の共同のもと、ローソンとコカ・コーラウエストが協力するなど、市民、事業者、行政の協働体制によって実施される。

 マイボトル、マイカップの取り組みのメリットとしては、ペットボトルや缶などのごみの発生をそもそもカットする、というごみの排出抑制(Reduce)の効果が大きい。
また、こうした取り組みに対して、各種インターネット情報(web、ブログ等)を見ると、非常に好意的に捉え、3ヶ月後の結果に期待したい、という声が多い一方で、マイボトル、マイカップを持ち合わせていない来店者にとって、果たして「convenience」(便利)なお店と呼べるのか疑問、という反応も見られた。

 今回のケースでは、価格メリットが非常に大きく、リピート顧客と想定される市庁舎の職員や地域住民は、マイボトル、マイカップを購入しても十分元が取れるので、「エコ・コンビニ」の利用は促進されるだろう。ただし、何かのきっかけで来庁した利用頻度の低い市民や事業者は、飲料を購入したい場合どのような行動を取るだろうか。そうした顧客層への訴求方法を十分に検討することが、今後「エコ・コンビニ」の普及・発展には求められるだろう。

 逆の見方をすれば、リピート顧客を確保しうるような、病院内のコンビニ、駅ナカの店舗などはこうしたディスペンサ方式の飲料販売は成功するのではないだろうか。ただし、そのためには、衛生面の確保(機器及び持ち込みカップ)という大きな問題を解決する必要があるかもしれない。

 夏場、阪急梅田駅で出店されている生ビールの屋台で、「マイグラス」を取り出すサラリーマンの姿を見ることができる日は来るだろうか・・・?
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