IKUMA message
宮崎県の南部を案内していただく機会を得ることができました。
2007年07月10日 井熊均
| 「創発戦略センター」所長の井熊均です。 (2007/07/10) | ||
最近、地球温暖化問題を考えることが多くなっていますが、改めて、日本の地方部は再生可能エネルギーの宝庫だと感じます。東京にいて地球温暖化問題を考えていると、「ビルやコンクリートに覆われた都会が使う巨大なエネルギーをどうやって賄うか」、が発想の起点になってしまいます。「そのための石油代替燃料をどうやって運ぶか」、と考える結果出てくるのが、「熱帯雨林を伐採して広大なバイオマス栽培農園を作る」、という発想なのではないでしょうか。これでは、化石燃料の使用という環境負荷を新たな環境負荷に付け替えているに過ぎません。地球温暖化の本質は、人間の活動と地球環境の共存にあるのですから、自然とかけ離れた都会のエアコンの効いた部屋から良い考えが生まれて来るとは思えません。 自然に囲まれた地方にいると考え方も変わってきます。例えば、日本は国土の67%が森林に覆われた先進国最高の森林国家です。この資源とどう共生するか。農林水産業が排出する有機性の廃棄物をいかにリサイクルするか。そんな考えが頭を巡るのです。以前、書籍の中で「バイオを制する者は京都議定書時代を制する」と述べたことがあります。その本質は都会がいかにバイオ燃料を吸い上げるか、という発想にあるのではなく、いかに地方部の循環と共生するか、にあるのです。 地方にこそ京都議定書、ポスト京都に向けた発想の源がある、と思えてなりません。 | ||
| [ Ikuma's Photo ] [写真上・下左] 飫肥は伊東氏5万1千石の城下町として栄えた九州の京都と呼ばれる美しい町です。城跡には飫肥杉と石積みの織り成す絶妙な空間があります。 [写真下右] 鵜戸神宮は、日本でも恐らく唯一の断崖に建設された本格的な神宮です。神殿に鎮まるのはウガヤフキアエズノミコトで、洞窟では豊玉姫が尊を出産されたと言われます。
|

