欧州では、2008年12月17日に「EU climate and energy package(気候パッケージ)」が承認され、法制化に向けて動き出すこととなった。この気候パッケージにおいては、温室効果ガスを「1990年比で20%削減」(=「2005年比で14%削減」)することを掲げている。この目標は、EU-ETSとEU-ETSでカバーされていないセクターのそれぞれの目標で構成されており、EU-ETSでは「2005年比で21%削減」、非EU-ETSセクターでは「2005年比で10%削減」としている。各々罰則規定を備えた、削減規制である。
日本では、運輸を除くこれらセクターの排出量は増加傾向にある。対策の必要性が叫ばれて久しいが、有効な打ち手が見つからず、増加を許容してしまっているのが現状だ。実は、EUも状況は似ており、非EU-ETSセクターの排出量は、BaU(Business as Usual)で「2020年には2005年比で2.4%増加する」と予測されている。今回の気候パッケージでは、これを10%削減しようというのである。