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割箸・森林・温暖化

2008年06月16日 青山光彦


 洞爺湖サミットまであと1ヶ月をきり、各方面でも厳重な準備が進められているようです。今回は、そんな中で次のような記事に注目してみました。

「政府は11日、洞爺湖サミットの期間中に、現地に滞在する参加国の政府職員らの弁当や各国記者が集まる国際メディアセンターでの食事用に、国産の間伐材で作った割り箸10万膳を使うことを決めた。」

 これは、森林保全につながる間伐材の活用で、環境に配慮する姿勢を内外にアピールする目的があるようです。

 現在、日本国内での割り箸消費量は年間250億膳程度といわれており、そのほとんど(98%)が中国からの輸入に頼っている状況です。国内生産量は1990年から大幅に減少し、1990年の6%程度しか生産されていない現状があります。
国産材による割り箸は間伐材利用を進めていますが、海外からの輸入割り箸は、原木からそのまま製造を進めている実態もあるようです。

 割り箸に関する論争はこれまでにも何度も議論がされており、(1)原木利用による森林破壊リスク、(2)割り箸利用による廃棄物の発生リスク など多くの問題が指摘されていました。一方で、最近では、割り箸利用は、地域産業振興や、温暖化防止の観点から、

○国産の間伐材からの割箸利用促進による林業振興の効果
○適切な間伐材利用による森林経営・温室効果ガス吸収源としての機能

など、プラスの面にも注目されるようになってきました。

 また、最近では、成長の早い竹材を利用して適切な湿度管理のもと割り箸の委託生産をする国内企業が現れたり、輸入割り箸との価格差を埋めるための「アド箸」(箸袋に広告(アドバタイジング)を印刷した割り箸)といったものが開発される動きもあります。

 実際のところ、林業の振興には、まだまだ解決しなければならない大きな問題が山済みであり、担い手の超高齢化、技術の伝承がされない、不安定な雇用体制、機械化の遅れなど枚挙に暇がありません。
 しかしながら、温暖化対策における森林吸収源の重要性が高まる現在、山林に恵まれている日本で、林業振興のタイミングはまさに今なのではないでしょうか。

 今回のコラムが、割り箸利用の持つ「林業振興」と「温暖化防止」という「一粒で二度おいしい」特徴の再認識を進め、みなさんが割り箸から森林のこと、地球のことを考え直すよいきっかけとなれば幸いです。
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