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廃掃法のマニフェスト制度がはじまります
2008年06月10日 熊井 大
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)のマニフェスト制度とは、産業廃棄物の適正な処理を推進する目的で、マニフェスト伝票を用いて廃棄物処理の流れを確認できるようにし、不法投棄などを未然に防ぐための制度です。「マニフェスト」という呼称は一般的に行政機関などでも普通に使われていますが、廃掃法では「産業廃棄物管理票」(第12条の3)と記載されており、マニフェストという言葉は使われていません。なお、マニフェスト(manifest)は元来英語で「積荷目録」の意味で、マニフェスト (manifesto)とは異なるそうです。
平成13年4月に施行された廃掃法において、国内でもこのマニフェスト制度が法制化されて、全ての産廃事業者と排出事業者に地方自治体への排出量の報告義務が課せられました。
しかしながら、全ての産業廃棄物の流れを把握するという、高い理想も念頭に置きつつも、マニフェストの都道府県への報告(法第12条の3第6項および施行規則第8条の27)は、「当分の間・・・適用しない」(附則 《平成12年8月18日厚生省令第115号》 第2条)とされて、多量排出事業者を除き、附則で実施を無期限猶予となっていました。
現在では、この無期限猶予は既になくなっており、昨年度(平成19年度)の排出実績を今年度(平成20年度)6月中に提出することになっています。廃掃法のマニフェスト制度がはじまることについて、社会的に周知されていないのではないかという危惧が私にありますが、お手元にマニフェスト伝票があるようでしたら、事務所のある都道府県(もしくは政令指定都市)の産業廃棄物担当課のホームページにアクセスするか、お問い合わせをして、報告する準備をはじめることをお勧めいたします。