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Sohatsu Eyes

「和諧社会」という共通のゴール

2006年11月21日 足達英一郎



2004年9月の中国共産党第16期中央委員会第4回総会で「和諧社会」という言葉が初めて登場した。「民主法治、公正正義、誠信友愛、活力充満、安定的な秩序、人間と自然が睦み共存する社会」を政策目標とする考え方で、経済成長一辺倒ではなく、「都市と農村の調和」、「地域の発展の調和」、「経済と社会の発展の調和」、「人と自然の調和」、「国内発展と対外開放の調和」を重視するという方針を意味している。

この言葉は今日の中国におけるキーワードだ。「国民経済と社会発展第十一次五ヵ年計画」でも大きく謳われ、2006年3月の第10期全国人民代表大会第4回会議においても、「物質的富の増加に片寄りすぎた発展から人間の全面的成長と経済・社会の調和のとれた発展を重視するものに転換する」という方針が示された。

この言葉を自分は経済同友会の「21世紀宣言」に重ね合わせてしまう。それは「我々は、市場機能のさらなる強化とともに、市場そのものを『経済性』のみならず『社会性』『人間性』を含めて評価する市場へと進化させるよう、企業として努力する必要がある。(中略)社会の変化に伴い市場参加者が『経済性』に加えて『社会性』『人間性』を重視する価値観を体現するようになれば、それを反映して市場の機能もより磨きのかかったものとなるダイナミズムを内包している。いわば市場は社会の変化と表裏一体となって進化するものである。」と述べている。

経済政策一辺倒を軌道修正しようという中国の政策転換に対して「格差からくる不満を抑えるための方便」、「海外からの批判をかわすためのポーズ」という形容をする向きもある。しかし、市場メカニズムのもとで社会的公正をどう実現するかというのは、現代社会の普遍的命題ではなかろうか。格差社会の進行、依然つづく温暖化ガス排出量の増加、教育の崩壊などの現実を見れば、わが国にも「和諧社会」の必要性が当てはまる事項は沢山ある。この共通のゴールに向かって中日で議論を深める、いまは絶好の好機だと考えるが、いかかであろうか。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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