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Sohatsu Eyes

問屋街をめぐる

2005年01月11日 宍戸朗



東京の下町には、古くからの問屋街がいくつかあり、それぞれ衣料品や工具、家具など様々な分野の専門店が密集しています。秋葉原の電気街は世界的にも有名ですが、それに次いで有名と思われるものに、浅草の西側に位置する合羽橋の道具街があります。有名とは書きましたが、実は、私も最近まで行ったことがありませんでした。

ここは、主に飲食店向けの業務用の道具を扱っている商店街で、食器や陶器、食品サンプルや、看板・のれんの類、家具、厨房設備、冷蔵庫、ショーケース等の店が並び、その数は170にも達するそうです。なかには蕎麦道具の店というのもあり、世の中には様々な細分化した専門店があるのだと思い知らされます。また、普段自分が見ている商品というのは、いわば氷山の一角で、1つの器具でも、ニーズに応じて色々なラインナップがあるとわかります。例えば、寸胴鍋一つでも大人が一人ゆうに入るものから、家庭で使っているような小さなものまで様々なサイズがあります。 そういった道具類が長さ1キロメートル弱の商店街のそこらに所狭しと並んでいる訳ですから、見ていて楽しく、また刺激を受けます。最近では、インターネットでも様々な情報を取り寄せ、商品を買えるようになりましたが、やはり視覚的に受ける情報のインパクトは大きいものです。
一通り見た後、歩き疲れたので喫茶店に入りました。入り口の看板や、珈琲の器、塩・こしょうの瓶、会計用の皿・・・、色々なものが目に付くたびに、どこで調達したか、ということを考えずにはいられませんでした。普段は気にしたことがないのだから不思議です。
私の担当する仕事も、ごみ問題のような身近な問題を対象としていますが、よく調べてみるまで、実情がわからないことが多いものです。先日、あるテレビ番組で、「家庭で一生懸命分別したプラスチックはその後どうなっているのか」というトピックを扱っていました。自治体や業者など様々な所をヒアリングしながらたどり着いた結論は「実はみんなあまりよくわかっていない」というものでした。
身近な疑問を掘り下げ、解決していくためには、多くの専門家の力が必要です。私たちが担当するプロジェクトでも、現場で作業に携わる方と対話しながら、技術、金融、財務、法律等のその道のプロの方々と対話していくなかで様々な発見があり、解決策が生まれてきます。
休日に、下町に点在する「プロの街」を見ることは、自分の知る世界の狭さを再認識するのに役立っています。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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