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Sohatsu Eyes

ふたつの世界フォーラムから

2005年02月08日 足達英一郎



1月26日~30日にスイスのダボスで開催されていた2005年の世界経済フォーラム年次大会が閉幕しました。最終日、会議では貧困、気候変動、教育、公平なグローバル化、グローバル・ガバナンスに関する行動が、現在の世界にとって最優先課題であること、持続可能性と人間の生存を脅かす無学、疾病、汚染と戦わなければならいないことが決議されました。
一方、同じ時期にブラジルのポルトアレグレで開かれていた世界社会フォーラム2005も最終日に「イラク戦争・占領反対」「反戦平和」「国際機関の民主化」「児童・強制労働反対」「先住民や被差別住民の権利擁護を含む人間の尊厳を守るたたかい」などで共同行動を呼びかける文書を採択して閉幕しました。

この2つのフォーラムは対立する立場を取ると、よくマスコミでは報道されます。事実、世界社会フォーラムは、2001年に、世界経済フォーラム(ダボス会議)に対抗し、グローバル化に反対するフォーラムとして出発しました。しかし、世界社会フォーラムの誕生によって、世界経済フォーラムもグローバル化を積極的に推進する先導役としての看板を修正せざるを得なくなったのです。世界の不安定、不確実に警鐘を鳴らしているという意味では、今年の2つの決議は、両者が対話可能な距離に随分近づいてきたことを窺わせます。
私たちは、概して「対立」や「論争」を毛嫌いする傾向にあります。しかし、「対立」から生まれるモメンタムを重視すべきときもあります。局所的な相互作用を持つ、もしくは自律的な要素が多数集まることによって、その総和とは質的に異なる高度で複雑な秩序やシステムが生じる、この創発の仕掛けづくりは、決して穏やかな道筋ばかりとは限らないのです。
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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