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リサーチ・フォーカス No.2021-031

コロナ禍で顕在化する若年層の資産形成ニーズ~さらなるニーズ喚起と中長期的な資産形成の支援を~

2021年09月24日 大嶋秀雄


昨年来、コロナ禍の下で若年層を中心にオンライン投資が拡大している。当初は、給付金等による資金余剰、株価急落・急回復による割安感・上昇期待などが投資を後押ししたものの、1 年半が経過して当該要因が一部剥落しつつあるなかでも、オンライン投資の拡大は続いている。

若年層には、①世帯所得が改善するなかでの貯蓄志向の強まり、②リスク性金融資産への関心の高さ、③ITリテラシーの高さなどの潜在的な資産形成ニーズを支える構造的な要因があり、コロナ禍をきっかけに、若年層の資産形成ニーズが顕在化しつつあると考えられる。こうした動きは、わが国の長年の課題である個人の資産形成の定着に向けた大きな変化といえる。

もっとも、若年層においても依然として貯蓄の大半が現預金で保有されており、資産形成の定着に向けては、資産形成ニーズを引き出す取り組みの強化が必要である。また、投資を促すだけでなく、中長期的な観点での資産形成に導く取り組みも重要となる。

まず、若年層の資産形成ニーズを引き出すために政府・金融機関に求められる取り組みとしては、①若年層の関心の高い少額投資に関する金融サービスの充実、②つみたてNISA等の少額投資に関する税優遇制度の拡充、③若年層の多くが情報収集に活用するSNS・動画サイトを通じた情報提供や専門家へのアクセスルートの強化、が挙げられる。

そして、中長期的な資産形成につなげるためには、①ESG・SDGs関連等、若年層が自らの老後を見据えて中長期的に投資できる金融商品の充実、②行政のデジタル化を契機とする社会保障関連情報の一元化とそれを用いた長期の生活設計を含む包括的な資産形成サポートの強化、③若年層が積極的に活用する新しい金融ツール・金融商品等に関する投資家保護の徹底・強化、を進める必要があろう。


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