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リサーチ・フォーカス No.2021-030

国際金融都市の実現に向けた金融特区の設計案

2021年09月22日 野村拓也


わが国では、国際金融都市の実現に向け、金融業を優遇対象とする金融特区を設置すべきとの意見が、政府や都市の首長から出てきているものの、具体的な特区像に関する議論は進展せず。一方、世界では、金融特区を実際に設置している都市が複数存在。

中国の深圳・前海地区は2012 年、UAE のドバイは2004 年、マレーシアのクアラルンプールは2012 年に金融特区を設置。深圳・前海地区は、香港と一体化して金融業を発展させる施策を導入。ドバイは、外資系金融機関が進出しやすいように、在留資格等の期間延長や法人税の減免などを導入しつつ、証券取引所等の金融インフラも整備。両都市ともに国際的なプレゼンスは拡大傾向。クアラルンプールは、商業地域開発の色合いが濃く、シンガポールが近隣に存在していることもあり、プレゼンスは高まらず。

インドのグジャラート・ガンディーナガルは2015 年、カザフスタンのヌルスルタンは2018 年に金融特区を設置。両都市ともに将来への期待値は大。グジャラート・ガンディーナガルは、インド初のスマートシティ・プロジェクトの一環として、IT 関連業と金融業の双方の集積・発展に注力。ヌルスルタンは、万博跡地に金融特区を設置し、法人税等を超長期にわたりゼロにするなど、大胆な制度を導入。

世界の金融特区を横断的に分析すると、下記の示唆が得られる。
・近隣の主要国際金融都市の力強さを取り込むことで、プレゼンスが向上する
・金融特区内の重点産業として他産業も設定し、その成長を取り込むことが、金融業の更なる成長に繋がる
・在留資格や就労許可等の規制緩和や税制優遇は、優遇対象を限定あるいは時限的な措置にした方が、効率的な施策になる

以上を踏まえると、日本型の金融特区を設計するに際しては、地方都市であれば、東京と相互に機能補完するような金融都市を目指した方が得策と言える。そして、東京を含む各都市は、①金融業と、例えばヘルスケア産業や再生可能エネルギー産業を相乗的に発展、②在留資格等のより柔軟な運用、③これらの産業や人材を対象とした税制優遇の実施、といった施策を、金融特区の設計案に盛り込むべきである。


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