リサーチ・アイ No.2021-035
日銀短観(9月調査)予測 ―感染再拡大から景況感は悪化も、先行きは改善へ―
2021年09月15日 内村佳奈子
10月1日公表予定の日銀短観(9月調査)では、製造業・非製造業ともに景況感は悪化する見込み。
大企業・製造業の業況判断DIは、前回調査対比▲3%ポイントの悪化を予想。半導体不足の長期化や東南アジアでの感染拡大の影響で減産を強いられている自動車のDIが大きく低下する見込み。その他の業種では、海外経済の回復を背景とした堅調な輸出に支えられながらも、原材料価格が高騰しているほか、国内財消費の増勢が一服していることなどから、小幅に悪化する見通し。
大企業・非製造業の業況判断DIは、同▲2%ポイントの悪化を予想。堅調なソフトウェア投資に支えられ、情報サービス業のDIは底堅く推移するものの、デルタ株を含めた変異株の感染再拡大により行動制限が長期化しており、宿泊・飲食サービス・対個人サービスなどのDIは低迷が続く見込み。
中小企業・全産業の業況判断DIは、前回調査対比▲1%ポイントの小幅悪化となると予想。大企業と同様に感染拡大や行動制限などが重石に。
先行き(2021年12月調査)は、全規模・全産業で9月調査対比+3%ポイントの改善を予想。ワクチン接種が加速するなかで、行動制限の緩和への期待感などが景況感を押し上げる見通し。
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