リサーチ・レポート No.2021-008 【日本経済見通し】コロナ禍から持ち直しに向かう日本経済~コロナ後に直面する2つの課題~ 2021年07月05日 村瀬拓人日本経済は、新型コロナの影響で一進一退の状況。製造業が堅調な一方、個人向けサービスの低迷が続くなど、業種による二極化が鮮明。当面は、海外経済の回復を背景とした輸出の増加が、景気を下支えする見通し。世界的なIT需要の拡大や設備投資需要の回復が追い風に。設備投資も、総じて持ち直しが続く見込み。ただし、収益環境が改善する製造業が中心で、新型コロナの悪影響が大きい個人向けサービスでは慎重な投資姿勢が続くなど、業種によりばらつき。個人消費は、当面、活動制約の継続が重石に。もっとも、ワクチン接種が進むにつれて、消費も持ち直しに転じる見通し。2022年初には、消費活動がほぼ正常化すると想定。以上を踏まえると、2021年度後半にかけて回復ペースが加速し、2021年度末には、GDPがコロナ前の水準を回復する見込み。2022年度に入ると、日本経済が抱える「需要構造の変化」と「成長力の低下」という2つの課題が顕在化し、成長率が大幅に鈍化する見通し。コロナ後の低成長を回避するには、「コロナ禍で打撃を受けた企業の支援」、「人材の流動化」、「デジタル投資の促進」に取り組む必要。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)