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リサーチ・フォーカス No.2021-014

中国社債市場において「暗黙の政府保証」が抱えるジレンマ~ 中国華融資産管理の信用不安 ~

2021年06月17日 谷口栄治


中国では、近年、社債のデフォルトが増加傾向にあり、足元ではこれまで該当が少なかった国有企業や外貨建て債券のデフォルトが相次いで発生。過剰債務という構造問題を抱えるなか、中国債券市場においてデフォルトは今後も増加する見込み。

2021年4月には、国有銀行の不良債権処理を目的に設立された金融資産管理会社(Asset Management Company)の1つである中国華融資産管理の債券価格が急落するなど、信用不安問題が表面化。

中国華融資産管理は、2019年末時点で約200億ドルと、多額のドル建て債を発行しており、その信用リスクに対する海外投資家からの注目度も高い。今後は、中国政府・当局が同社の救済に動くかが最大の焦点に。

仮に中国華融資産管理のデフォルトを容認した場合、「暗黙の政府保証」の否定につながり、政策運営の透明性向上、将来の金融リスクの軽減につながる一方、海外投資家をはじめ中国債券市場への投資意欲が減退するリスクが存在。

他方、同社の救済に踏み切れば、金融市場の混乱収束、海外からの投資資金の流入持続といったメリットはあるものの、不透明な政策決定プロセスや過剰債務といった構造的な問題は温存され、中期的な市場や経済の発展を阻害。

中国債券市場の将来性や中国における金融リスクを見極める観点からも、中国華融資産管理の信用不安問題に対し、中国政府・当局がどのような政策判断を下すか、今後の動向を注視していく必要あり。


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