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リサーチ・アイ No.2021-015

リーマンショック後より失業率上昇が抑えられている理由 ― 人手不足の深刻化と雇用調整助成金の効果 ―

2021年06月04日 小方尚子


2020年度の実質GDP成長率(前年比▲4.6%)がリーマンショック後(08年度同▲3.6%)を超える下げ幅となった一方で、失業率の上昇は限定的。

この理由として、第1に、新型コロナ禍においては、一部の業種に労働需要の急減が集中する一方、成長を続ける分野で雇用がある程度吸収されたことが指摘可能。業種別の雇用増減をみると、打撃が大きかった宿泊・飲食などで雇用者が大幅に減少したものの、医療福祉や情報通信で雇用が増えたことで、全体の減少は抑制。雇用形態別では、非正規雇用が減る一方、正規雇用が増加。成長分野での増加が正規雇用中心であるほか、製造業でも、中長期的な人手不足を視野に非正規雇用者を正規化し人材確保を図る動き。

第2に、人口減少や外国人労働者の流入減少も失業率の下押しに作用。実際、失業率の変化を要因別に分解すると、人口要因が足許の失業率を0.3%ポイント下押し。

第3に、雇用調整助成金の効果。新型コロナの影響で業績が悪化した企業にとって、雇用調整助成金の要件が大幅に緩和されていることが、雇用維持の支えに。緊急事態宣言の再発令、延長を受け、雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金の新型コロナ特例は7月末までの延長が決定。2020年4月~2021年5月の累計支給決定額は、3.6兆円とリーマンショック後の3倍超に。一定の前提のもとに試算すると、雇用調整助成金の支給は、4月の失業率を1.2~2.6%ポイント抑えたとの結果。これは、産業構造変化を促す労働移動を抑制する側面もあり、今後、政策の効果とコストを慎重に考慮していく必要。


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