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リサーチ・フォーカス No.2021-011

金融政策の正常化を慎重に探る米FRB ― 労働市場のスラックの早期枯渇などによるインフレ高進がリスク ―

2021年05月27日 井上肇


米国では、足許で雇用の回復ペースが鈍化する一方、インフレが加速したことで、金融政策の正常化を巡る不透明感が高まっている。

雇用の先行きを展望すると、ワクチン接種の進展や失業保険給付の加算措置の終了などから、雇用者数は再び回復する見通しである。もっとも、今後は、労働市場に復帰してくる人々の増加も予想され、失業率がコロナ禍前の水準である3%台半ばまで低下するのは2023 年以降となる見込みである。

一方、最近のインフレ率の急騰は、経済活動の再開による需要の急回復や、部品・原材料不足などによる供給制約といった一時的な要因による。基調としてのインフレ率は、コロナ禍でも、失業率の動きに連動しているため、労働市場の需給が十分に引き締まる2023 年頃までは、賃金やインフレの急激な上昇が生じにくいとみられる。

FRBは、雇用環境のさらなる改善が見込まれる年後半にテーパリングの議論を本格化させるとみられるが、実施は早くても来年前半になると予想される。また、利上げの条件である完全雇用と2%の平均インフレ目標の達成には時間を要するとみられることから、利上げ開始は2023 年以降になる可能性が高い。

もっとも、雇用の本格回復が実現する前に、FRBがインフレ高進に早期の利上げで対処せざるを得なくなるリスクは残る。たとえば、①失業期間の長期化に伴う復職意欲の喪失などで労働供給の回復が見込めない場合や、②コロナ禍による需要構造の変化で雇用のミスマッチが解消されない場合、労働市場の需給が急速に引き締まり、賃金上昇を通じたインフレ加速が生じる可能性は排除できず、注視していく必要がある。


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