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リサーチ・アイ No.2021-004

IMFが示した過剰債務問題への対処法 ― 各国政府は経済正常化に向けた企業支援策を継続へ ―

2021年04月12日 大嶋秀雄


IMFは、本年4月公表の国際金融安定性報告書において、コロナ危機を受けた世界的な金融緩和・財政拡大の副作用に警鐘。とりわけ、中小企業を中心とする過剰債務の問題を指摘。

IMFは、①資金繰り、②返済能力、③事業の存続可能性に係る懸念の有無により企業を分類し、必要な支援策を検討する政策決定フローを提案。たとえば、資金繰りに懸念のある企業には融資・保証、返済能力に懸念がある企業には資本注入に係る政府支援が重要であり、中長期的には、直接金融市場の整備が必要と指摘。また、存続可能性に懸念がある企業には、再編・清算を促す政策対応も必要。

先進国において上記①~③に懸念がある企業の割合をみれば、中小企業の半数近くが資金繰りや返済能力に懸念があり、かつ、2割程度が存続可能性にも懸念あり。また、中堅・大企業においても、2割程度が返済能力に懸念あり。

一部の国では銀行が貸出基準を厳格化し、その要因として経済環境の悪化と、債務者リスクの上昇を挙げるなど、経済活動の正常化に向けた継続的な政府支援の必要性を示唆。わが国を含む各国政府は、中小企業の経営実態に合わせた資金繰り支援、資本性資金の導入などの政策メニューを整備・維持しつつ、中長期的な観点から、直接金融市場や再編・清算に係る制度整備を検討することが重要。
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