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リサーチ・アイ No.2020-074

米長期金利への影響が懸念される米大手行への資本規制の取り扱い ー期限が到来する米国の補完的レバレッジ比率(SLR)の緩和措置-

2021年03月16日 谷口栄治


米国では、景気回復期待や大規模な追加経済対策等を背景に、足元にかけて長期金利の上昇が持続。今後の長期金利の動向を見通すうえで、総資産2,500億ドル以上の大手行を対象とした資本規制(補完的レバレッジ比率:Supplementary Leverage Ratio, SLR)に係る緩和措置の延長可否が焦点に。

SLRの緩和措置は、コロナ禍を受けた流動性逼迫を回避するため、米連邦準備理事会(FRB)が2020年4月に導入。SLRの算定上、保有する中央銀行預金と米国債を対象資産から控除するという内容。

実際、2020年の米大手行のバランスシートの増減をみれば、多額の預金流入を受けて、資産サイドで、中銀預金や米国債を含む満期保有目的債券の残高が増加。緩和措置により、米大手行のSLRは、1%ポイント程度引き上げられている状況。

SLRの緩和措置は、2021年3月末に期限が到来。仮に延長されなければ、大手行は規制遵守のため、米国債の売却等を余儀なくされ、長期金利にさらなる上昇圧力がかかる可能性あり。大手行は国債市場の安定性等の観点から延長を要望する一方、大手行に厳しい民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員等は延長に反対しており、今後のFRBの判断に要注目。
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