コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経営コラム

オピニオン

【IT動向リサーチ】
ブレインテックの概説と動向~脳科学とテクノロジーによる金融ビジネスの未来~

2021年03月15日 先端技術ラボ 間瀬英之


本レポートでは、ブレインテックの概説と動向を考察した。

脳科学の知見とテクノロジーを組み合わせた「ブレインテック」が注目されている。
ブレインテックとは、認知状態や感覚体験などの脳活動をfMRI(*1)やEEG(*2)等の装置で計測し、それらの結果を用いて、デコーディング(*3)やニューロフィードバック(*4)、BMI(*5)へ応用する技術である。例えば、映像を見ている間の脳活動を計測し、映像と脳活動を関連付けるアルゴリズムにより、映像を生成するといったことが可能になっている。近年では、BMIによるドライバー運転支援や金融行動を脳の観点から説明する「ニューロファイナンス理論」などの研究が進展し、米国、EU、中国を中心に、世界各国の政府機関や民間企業からの投資も加速するようになった。
ブレインテックにより、頭で考えるだけで機械をコントールすることや、脳活動を解読などが可能になることから、これまでにない高度なマーケティングやコミュニケーションの実現が期待される。一方で、脳活動データの収集や膨大なデータ量の高速・効率的な処理、再現性、倫理面での対応が必要となる。今後、計測技術高度化や業界横断的な取り組みなどによって、中長期的にブレインテックが社会へ普及すると考えられる。
金融分野では、マーケティング高度化や資金運用業務改善などにおいて、活用の可能性があり、中長期的な目線で動向や技術進歩を注視することが肝要である 。

(*1) functional Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴機能画像法)の略。脳血流の酸素飽和度の変化から、活動している脳部位を可視化する方法。脳深部までデータが取得できる。
(*2) Electroencephalogram(脳波)の略。数百万個単位の神経細胞の活動を反映した電位変化(脳波の変化)を頭皮上で記録する方法。認知や情動など研究例が豊富なため、様々な指標・分析手法が存在する。
(*3) 脳活動から、本来は本人にしか知ることができない主観的な意識や知覚を解読する技術。
(*4) 脳活動をリアルタイムにモニタリングしながら、脳活動の自己制御する技術。
(*5) Brain Machine Interface の略。推定した情報(意図・状態など)に合わせた行動支援・機器制御する技術。


ブレインテックの概説と動向~脳科学とテクノロジーによる金融ビジネスの未来~
経営コラム
経営コラム一覧
オピニオン
日本総研ニュースレター
先端技術リサーチ
カテゴリー別

業務別

産業別


YouTube

レポートに関する
お問い合わせ