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リサーチ・フォーカス No.2020-038

日米における法人向けオンライン・レンディングの動向 ―与信判断能力の高度化に向けたデータ活用が重要に―

2021年01月28日 谷口栄治


法人向けオンライン・レンディングは、決算書等の財務データだけではなく、入出金履歴や商流に関するデータ、SNSでの評判といった様々なデータや情報を人工知能(AI)等を使って分析し、与信判断を行う融資形態。直近の決算が赤字でも、足元の商取引が好調、将来の成長が期待できる、といったデータが示されれば、融資を受けることも可能に。

米国では、リーマンショックによる金融危機後の規制強化を受けた銀行の貸出態度の厳格化等もあり、法人向けオンライン・レンディング市場が拡大。なかでも、OnDeckとKabbageというFinTech事業者2社が成長を牽引。わが国でも、FinTech企業のほか、メガバンクも同市場に参入するなど、プレイヤーが増加。

もっとも、コロナ禍を受け、オンライン・レンディング事業者は、与信判断の厳格化や与信枠の削減、新規プロパー貸出の停止など、ビジネス縮小を余儀なくされ、業績が大きく悪化。米国では、OnDeck、Kabbageといった米大手が相次いで同業や大手金融に買収。わが国でも、無利子・無担保融資をはじめとする公的支援の拡充等を背景に、新規の融資機会が減少。

オンライン・レンディングは、将来的に銀行の金融仲介機能を脅かす存在になるのではないかと指摘されていたが、コロナ禍で脆弱性が顕在化。低金利環境や競争激化等により収益性改善は容易ではなく、顧客基盤も、従来の銀行貸出では対応できなかった零細企業やスタートアップ企業等に偏り。「ニッチ戦略」を余儀なくされているオンライン・レンディングでは、銀行貸出を代替することは困難。

もっとも、社会・経済活動のデジタル化が進展するなか、オンライン・レンディングの長所は様々な局面で活用されるべき。具体的には、金融界全体として、①多様なデータを活用した与信判断能力の向上、②銀行とオンライン・レンディング事業者の連携によるリスクテイク機能の強化、③データ活用を通じた公的支援の高度化、に取り組んでいく必要あり。

日米における法人向けオンライン・レンディングの動向 ―与信判断能力の高度化に向けたデータ活用が重要に―(PDF:978KB)
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