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リサーチ・フォーカス No.2020-033

デジタルトランスフォーメーション(DX)に挑む老舗企業の実像

2020年12月14日 佐藤浩介


老舗企業は中堅・中小規模のものが多く、さまざまな事業環境の変化を乗り越えながら地域経済・社会を支えてきたが、ここにきて倒産、休廃業・解散件数が増加傾向にある。地域経済の長期停滞や後継者難、さらには新型コロナ禍にも直面し、厳しい経営環境に置かれていることが推測される。そうしたなかで、逆境を生き延びる手段として、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む老舗企業が出現している。

本稿では、業種別にみて企業数の多い、旅館・ホテル業、清酒製造業、服小売業、一般土木建築工事業、飲食業の5業種から各々1 社を選出し、その取り組みを概観・比較考察した。その結果、デジタル技術の導入にとどまらず、①業務プロセスや人員配置も見直すことによって、自動化・合理化で生じた余力を、人が行ってこそ威力を発揮できる業務に振り分けることで付加価値の向上を実現している、②知見や情報を一元化したうえでデータとして集積を図り、属人的であったものを社員全体が共有できるものにしてさまざまな用途で活用している、という類似性が確認できた。

さらに、これらの企業では、①経営者が自社の抱える経営課題を認識し、デジタル技術を通じて変革していこうという強い意志を持っている、②社員の仕事に対するモチベーションの向上を図っている、③企業内にIT・デジタルを理解し中心となって実践する人材が存在する、の3点においてほぼ共通していることも明らかになった。

老舗企業の事例からわかるとおり、DX は決して大企業にしかできないことではない。中小企業も自社の課題を解消するためにデジタル技術を活用して事業を変革していくことは十分可能であろう。

・デジタルトランスフォーメーション(DX)に挑む老舗企業の実像(PDF:1292KB)
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