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リサーチ・アイ No.2020-054

2020~2022年度改訂見通し ―今年度は▲5.1%、コロナ前GDP水準の回復は2023年度に―

2020年12月08日 村瀬拓人


2020年7~9月期の2次QEは、実質GDP成長率が前期比年率+22.9%(前期比+5.3%)と、1次QE(同+21.4%、同+5.0%)から小幅上方修正。需要項目別にみると、個人消費や設備投資が上振れたものの、1次QEからの修正幅は限定的。7~9月期のGDPの水準は、依然として新型コロナ流行前を大きく下回っており、わが国経済は非常に厳しい状況が続いているという現状認識に変化なし。

7~9月期の高成長は、緊急事態宣言や諸外国のロックダウンの影響による過度な経済活動の縮小からの持ち直しという側面が大。新型コロナの流行が収束しないなか、10~12月期以降の成長率は、大幅に鈍化する見通し。

輸出についてみると、モノの貿易取引は新型コロナ流行後の落ち込みをほぼ取り戻しており、急回復の局面は概ね一巡した模様。足許では、新型コロナの感染再拡大を受け再び経済活動の規制に踏み切る国も出てきており、輸出の増加ペースは、2021年入り後、大きく鈍化する見通し。

一方、内需では、設備投資が、デジタル化関連の投資需要などを支えに持ち直すとみられるものの、個人消費は、新型コロナの感染者数の動向に左右される形で自粛ムードが残る見込み。さらに、企業の雇用過剰感が高まっており、今後失業率の一段の上昇が避けられないなど、雇用・所得環境の悪化も回復の重石に。賞与を中心に賃金への下押し圧力も強いため、個人消費は新型コロナ流行前の水準を下回る状態が長期化する見通し。

結果として、景気回復ペースは緩やかにとどまり、2020年度の成長率は▲5.1%のマイナス成長に。2021年度は+3.5%、2022年度は+1.7%とプラス成長に転じるものの、2020年度の落ち込みからの持ち直しとしては弱く、GDPが新型コロナ流行前のピークである2019年7~9月期の水準を回復するのは、2023年度にずれ込む見通し。

2020~2022年度改訂見通し ―今年度は▲5.1%、コロナ前GDP水準の回復は2023年度に―(PDF:280KB)
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