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国際戦略研究所 研究員レポート

【米国大統領選挙報告】2020年アメリカ大統領選挙をめぐる状況 ―新政権の苦悩―多様化と分断―

2020年11月30日 佐藤 由香里


■はじめに:2020年大統領選と今後の米国社会の行方

11月3日の大統領選は、ジョー・バイデン氏の「地滑り的勝利」とは程遠い様相を呈した。総投票数は約66.4%という20世紀以降最も高い水準を記録し、バイデン氏は史上最多の8,000万票を獲得し次期大統領の座を確実にした。その一方で、トランプ大統領は自身の2016年の得票数を上回り、またバイデン氏に次ぐ史上2位の最多数票を獲得した。今選挙戦は、上下両院は未確定ながら世論調査専門家の予想を上回る、まぎれもなく肉薄した「激戦」であった。次期バイデン政権にとり、下院では民主党政権1期目としては1943-45年政権以来の低水準の議席獲得数が見込まれ、また上院では、1月に実施予定のジョージア州決選投票で共和党現職が勝利した場合、野党・共和党は過半数を占め、1884年ぶりの「ねじれ国会」でスタートすることとなる。
 こうした状況は、国内で政治にかつてない程の関心が寄せられた結果、国民がバイデン氏に対する新しく強い期待がある一方、トランプ大統領の熱狂的賛同者も未だ多くいる、という図式を示している。一方でバイデン派、トランプ派の8割以上が互いを信用していないことも世論調査の示すところで、議会のみならず、国民レベルの「二極化」も深刻さの一途を辿るばかりだ。(ピュー・リサーチセンター、2020年10月)
 しかし何故、今選挙はここまでに拮抗したのか。筆者は今回、こうした昨今の政治的分断の背景には、多様化が加速する社会と、コロナ禍で悪化した国民間の政治イデオロギー上の相克が重要なカギを握っていると考えた。
 本稿では、いま米国で起きている人種構成の変化や、世代構成の変容をはじめとする人口動態のパラダイムシフトを切り口に、2020年大統領選挙の結果、次期バイデン・ハリス政権、そして今後の米国社会の見通しについて分析する。米国において人口動態の変容は、国内の世論、国民の社会活動、政策、経済、政治に大きく影響し、将来を見通す上で欠かせない要素であり、分析することは重要だと考えた。


2020年アメリカ大統領選挙をめぐる状況 ―新政権の苦悩―多様化と分断―
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