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リサーチ・アイ No.2020-042

2020年7~9月期GDP予測 ~前期比年率+20.5%ながら、コロナ前を5%下回る水準~

2020年10月30日 成瀬道紀


2020年7~9月期の実質GDPは前期比年率+20.5%(前期比+4.8%)と、現行基準で過去最大のプラス成長となった見込み。もっとも、新型コロナ前と比べると、ボトムとなった2020年4~6月期までの落ち込みの半分程度を取り戻すにとどまり、経済活動は依然として極めて低い水準。

①個人消費(前期比年率+22.6%、前期比+5.2%)
現行基準で過去最大の増加。緊急事態宣言の解除を受け、宿泊施設や飲食店、テーマパーク、フィットネスクラブ、各種商業施設などで営業を再開し人出が回復。1人当たり10万円の特別定額給付金も押し上げに寄与。もっとも、自粛ムードの残存や、混雑回避のための入場制限などにより、サービス消費を中心に新型コロナ前を大幅に下回る水準。

②設備投資(前期比年率▲11.5%、前期比▲3.0%)
2四半期連続の減少。企業収益の悪化や先行き不透明感を受けて企業の設備投資姿勢が慎重化。進捗ベースで計上されるため自粛期間中の発注減が遅れて反映されている面も。

③政府消費(前期比年率+6.2%、前期比+1.5%)
感染回避のための医療機関への受診抑制が落ち着きつつあるほか、GoToトラベルキャンペーンなどへの政府支出もあって高めの伸び。

④外需(前期比年率寄与度+9.0%ポイント、前期比寄与度+2.3%ポイント)
輸出は、前期比年率+30.1%の増加。インバウンド需要はほぼゼロが続いたものの、世界各国での経済活動再開を背景に、財輸出が回復。とりわけ、金利低下や各国政府の需要喚起策を受けて、自動車輸出が急ピッチで回復。一方、輸入は、同▲30.3%の減少。4~6月期に、中国の挽回生産やマスク・消毒液などのコロナ特需で押し上げられた反動減。この結果、外需は大幅なプラス寄与に。

10~12月期を展望すると、イベント収容人数制限の一段の緩和やGoToキャンペーン拡大の効果などもあって、景気は回復基調を維持する見込み。もっとも、失業率の上昇や冬季賞与の減少など雇用所得環境の悪化や、欧米を中心とした感染再拡大による海外景気の下振れが重石となり、回復ペースは7~9月期から大幅に鈍化する見込み。


2020年7~9月期GDP予測 ~前期比年率+20.5%ながら、コロナ前を5%下回る水準~(PDF:361KB)

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