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リサーチ・アイ No.2020-037

近畿短観(2020年9月調査)でみる関西経済

2020年10月02日 西浦瑞穂


日銀大阪支店「短観」(近畿地区)9月調査は、業況判断DI(全産業・全規模)が▲32となり、6月調査から+4ポイントと7四半期ぶりに改善。新型コロナウイルス感染症拡大を背景に急激に落ち込んだ景況感は、国内外の経済活動再開を受けて悪化の動きに歯止めがかかった形(図表1)。業種別でも、製造業、非製造業がそれぞれ+3、+6ポイントとなり、全般的に改善。もっとも、DIの水準はなおも大幅なマイナス圏にあり、全産業の先行きDIも▲30と、改善幅は+2ポイントにとどまり回復の勢いに欠ける状況。

2020年度の企業業績(全規模・全産業)は売上高が前年度比▲5.9%、経常利益が同▲16.6%と、前回調査に比べてそれぞれ▲4.1%ポイント、▲7.7%ポイントの下方修正(図表2)。厳しい環境のなか、設備投資計画(全産業・全規模、ソフトウェアを含み土地投資額を除く)は前年度比+4.0%と拡大計画を維持するも、前回調査から▲1.6%ポイントの下方修正と慎重姿勢は強い。例年のこの時期の設備投資計画と比較すると、足元の下方修正は特段厳しくないものの、新型コロナウイルスの再感染拡大懸念が国内外で強いこと、米中貿易摩擦の激化など、企業部門がリスクを取りにくい状況が持続していることから、今後も設備投資先送りの動きが拡がる可能性が大きいことに留意が必要(図表3)。

雇用情勢にはなお厳しさ。雇用人員判断DI(全産業・全規模)は▲1と、「不足」超幅は前回調査から2ポイント縮小、DI水準は感染症拡大前の大幅な人手不足から一転して、不足感がほぼ解消された状況に(図表4)。先行きについては「不足」超幅の拡大が見込まれてはいるものの、今後も雇用へのマイナス影響が残る懸念あり。


近畿短観(2020年9月調査)でみる関西経済(PDF:288KB)
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