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憲政史上、最長政権の幕引きと、今後の日本の課題

2020年09月08日 井熊均


 日本の憲政史上最長の首相連続在任期間を記録した安倍政権が幕を閉じました。同政権が始まった8年前を振り返ると、リーマンショックの影響を払拭しきれないうちに東日本大震災に見舞われ、日本経済は暗い状況にありました。そこから今日まで東京株式市場の株価は2倍以上となり、多くの企業が最高益を記録しました。2020年に入りコロナ禍で落ち込んだとはいえ、安倍政権下での経済的な成果は高く評価されるべきでしょう。一方、その分だけ、コロナ禍を背負った日本が今後どのような方向に向かうのか、に多くの人が関心を寄せています。

 高度経済成長終了後、総理大臣の連続在任期間が1000日を超えた政権が二つあります。1980年代の中曽根政権と2000年代の小泉政権です。いずれも政権開始当初日本が抱えていた問題に果敢に取り組み成果を上げたことが長期政権につながったと考えらえます。一方で、いずれの場合も、長期政権終了後、日本は長い低迷の時代に入ってしまいます。その時の時代背景や国内外の様々な事情があり、一概に長期政権とその後の低迷を関係づけることはできません。しかし、民間企業でも長らく続いた体制が代わった後に、経営を安定させ、さらなる発展に向かうのは容易なことではありません。一国の話となれば一層難しくなるのは自明です。

 先の見えないコロナ禍、米中の対立、日本経済の地位の低下、少子高齢化と人口減少、格差の拡大、深刻さを増す気候変動、等々、日本社会は様々な難しい課題を抱えています。それに長期政権の引継ぎという課題が加わることになります。目先の課題だけに翻弄されることなく、歴史に学んだ上で、時代の流れを先取りし、次世代に繋がる政権となることを心より期待しています。


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表彰写真

<審査講評>
ICT/IoTからデジタル・トランスフォーメーション(DX)化への流れが、農業ビジネスのみならず農村と社会のあり方を変えていく。第4次農業革命の展開策を示す内容は、次世代の農業・農村の姿を実現するための具体策を提示するとともに、今後の日本の地域活性化に向けた取組を考えていく上でも参考になる一冊。


※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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