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リサーチ・アイ No.2020-034

2020~2021年度改訂見通し ―今年度は▲5.4%、コロナ前に戻るのは2022年以降―

2020年09月08日 村瀬拓人


2020年4~6月期の2次QEは、実質GDP成長率が前期比年率▲28.1%(前期比▲7.9%)と、1次QE(同▲27.8%、同▲7.8%)からほぼ変わらず。もっとも、需要項目別の修正状況をみると在庫投資が大きく上振れており、需要の急減で企業の在庫が積み上がっていることを示唆。さらに、設備投資は下方修正されており、新型コロナの影響で経済が大きく落ち込んだ姿がより鮮明に。

先行きを展望すると、夏場以降の経済活動の水準は、緊急事態宣言の解除により持ち直し傾向にあり、7~9月期の成長率は年率10%超のプラス成長となる可能性大。もっとも、新型コロナの流行が再拡大するなか、回復ペースは緩やかにとどまっており、年前半のGDPの落ち込みの4割程度を取り戻すにとどまる見通し。

需要項目別にみると、輸出は、諸外国の経済活動回復の足取りが鈍いなか、貿易取引の回復に時間を要するほか、インバウンド需要も、感染再拡大を防止するための入国規制の継続により、当面ほぼゼロの状態が持続。

一方、内需についても、個人消費は、自粛ムードの残存に加え、雇用所得環境の悪化が回復の重石となる見込み。需要の減少を受け企業の雇用過剰感は急速に高まっており、失業率は年末にかけて少なくとも4%近くまで上昇する可能性大。企業業績の悪化を背景に、冬季賞与を中心に賃金への下押しも強まることから、個人消費は新型コロナ流行前の水準を下回る状態が長期化する見通し。

結果として、2020年度の成長率は▲5.4%のマイナス成長となる見通し。2021年度の成長率は+3.4%とプラス成長に転じるものの、回復ペースが緩やかなため、経済活動が新型コロナ流行以前の水準を回復するのは、2022年以降となる見込み。

2020~2021年度改訂見通し ―今年度は▲5.4%、コロナ前に戻るのは2022年以降―(PDF:270KB)
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