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リサーチ・アイ No.2020-032

2020年4~6月期法人企業統計の評価と2次QE予測

2020年09月01日 成瀬道紀


4~6月期の法人企業統計季報によると、全産業ベースの売上高は前期比▲10.7%と、統計開始以来最大の落ち込み。新型コロナの感染拡大に伴う内外需要の急減を受けて、製造業、非製造業ともに大幅な減収。製造業では、内外の自動車販売の急減で主力の輸送用機械が大きく減収。非製造業では、緊急事態宣言の発令に伴い、小売、サービス、運輸などを中心に幅広い業種で減収。一方、全産業ベースの経常利益は同▲29.7%と、5四半期連続の減益。市況悪化を受けた鉄鋼や、外出自粛が直撃した飲食・宿泊、生活関連・娯楽サービス、教育・学習支援、運輸などは赤字転落。7~9月期の企業収益は、内外の活動制限緩和を受けて持ち直しに向かうものの、海外景気の回復が緩慢なうえ、国内でも引き続き3密回避など感染対策の継続が必要なことから、回復ペースは緩やかになると予想。

設備投資(ソフトウェア投資を除く)は、全産業ベースで前期比▲6.7%と、2四半期ぶりの減少。業績の悪化や先行き不透明感を受けて、不要不急の設備投資を延期・中止する動きが拡大。一方、テレワーク関連をはじめとした感染拡大防止のための投資が下支えした面も。

今般の法人企業統計等を織り込んで改定される4~6月期の実質GDP(2次QE)は、個人消費と公共投資が上方修正となる一方、設備投資と民間在庫が下方修正となる見込み。その結果、成長率は前期比年率▲28.6%(前期比▲8.1%)と、1次QE(前期比年率▲27.8%、前期比▲7.8%)から下方修正される見込み。

2020年4~6月期法人企業統計の評価と2次QE予測(PDF:259KB)
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