ビューポイント No.2020-017 ミスマッチの新型コロナ対策がもたらす3つのリスク:自殺増、癌死亡増、少子化 2020年08月17日 枩村秀樹7月から新型コロナ感染が急拡大したものの、死亡者の急増は見られず。過去半年を振り返っても、①欧米よりも死亡率が極端に低いこと、②他の死因に比べても死亡率は決して高くないこと、の2点が指摘可能。以上から、日本人にとって新型コロナは弱毒性と判断するのが合理的。強毒性を前提とした場合、新型コロナ対策は、①厳格な感染防止、②財政面からの十分な所得補償、③ワクチン開発、などが政策の主軸。一方、弱毒性を前提とした場合、①対象を絞った感染予防、②原則自由な活動、③限定的な財政支援、などが政策の柱に。日本の場合、新型コロナは弱毒性の可能性が高いにもかかわらず、強毒性向けの対策をとっていることが大きな問題。この結果、失業者・倒産の増加、財政悪化、学力低下、健康不安など、新型コロナのリスクの大きさに見合わない深刻な経済・社会問題を惹起。7月からの自粛ムード再燃で、消費活動の回復にも頭打ち感。景気が二番底に向かうリスクも排除できず。人口動態面でも、①失業率上昇で自殺者が年2000人増加、②癌など早期発見の遅れ、③結婚の減少によって計6万人の出生減、などの懸念。ミスマッチの新型コロナ対策がもたらす3つのリスク:自殺増、癌死亡増、少子化(PDF:356KB)