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リサーチ・アイ No.2020-030

2020年4~6月期GDP予測 ~前期比年率▲27.9%と過去最大のマイナス成長~

2020年07月31日 成瀬道紀


2020年4~6月期の実質GDPは前期比年率▲27.9%(前期比▲7.8%)と、3四半期連続のマイナス成長となった見込み。新型コロナの影響拡大で内外需要が急減し、現行基準で比較可能な1994年以降で最大の落ち込みに。

①個人消費(前期比年率▲25.6%、前期比▲7.1%)
現行基準で過去最大の減少。緊急事態宣言の発令を受け、宿泊・飲食・旅客・娯楽などのサービス需要が蒸発。さらに、人との接触を避ける動きから、医療福祉などにも影響が拡大。財消費も、自動車・アパレルを中心に大幅に減少。

②設備投資(前期比年率▲18.5%、前期比▲5.0%)
2四半期ぶりの減少。需要回復が見通せない先行き不透明感を受けて、設備投資を延期・中止する動きが拡大。一方、テレワーク関連をはじめとした感染拡大防止やデジタル化の加速に向けた投資が下支え。

③外需(前期比年率寄与度▲9.2%ポイント、前期比寄与度▲3.0%ポイント)
輸出は、前期比年率▲57.5%と大幅な減少。世界各地での経済活動の制限を背景に、自動車を中心に財輸出が大幅減少。入国制限を受けてインバウンド需要はほぼ消滅。一方、輸入は、同▲5.6%と小幅減少にとどまった見込み。海外旅行の急減でサービス輸入は減少したものの、生産活動が再開した中国からの輸入が回復したことで、財輸入はわずかに増加。この結果、外需は大幅なマイナス寄与に。

7~9月期を展望すると、内外の活動制限緩和を受けて持ち直しに転じるものの、V字回復は期待薄。7月入り後の感染再拡大を受けて、国内の小売・娯楽施設への人出の回復が頭打ちとなるなど、消費の回復力は脆弱。入国制限の緩和は当面、一部の国からのビジネス目的に限られるとみられるなか、インバウンドも実質ゼロの状況が続く見通し。さらに、進捗ベースで計上される住宅や建設などは、今後一段と悪化する見込み。

2020年4~6月期GDP予測 ~前期比年率▲27.9%と過去最大のマイナス成長~(PDF:345KB)

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