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リサーチ・アイ No.2020-021

国家安全法で危ぶまれる国際金融センターとしての香港 ― リスクは高まるものの、大幅な地位低下の公算は小 ―

2020年06月01日 野木森稔


政府への抗議デモに苦しむ香港の国際金融センターとしての地位が大きく低下。中国の国家安全法導入決定により高度な自治への懸念が高まり、金融の機能そのものを危ぶむ声も。しかし、以下の3点から、香港は引き続き国際金融センターとして重要な地位を占める見通し。

第1に、米国が5月29日に発表した優遇措置廃止の影響は小。香港に認めてきた優遇措置は主にビザ発給や関税(香港から米国へ直接輸出は僅か)が対象。香港の外国籍企業の15%を占める米系企業へのマイナス影響を考えると、厳しい制裁などは困難。

第2に、中国にとって香港の金融機能は引き続き重要。足元、人民元は対ドルで大きく下落し、資本流出懸念も台頭。そうしたなかでも、香港からの急速な資金流出はなく、香港ドルは安定。不安定化しやすい中国金融市場にとって、成熟した香港市場は不可欠な存在。

第3に、米株式市場から撤退する中国企業が香港市場を選択する動きも支えに。米上院は5月20日に米国上場の外国企業に経営の透明性を求める法案(検査拒否なら米上場廃止)を可決。過去、グローバル展開を目指す多くの中国企業が米国で株式上場したが、足元では香港上場ないしは重複上場を目指す動きが加速。中国本土と海外を結ぶ国際仲介機能としての香港の重要性が高まる結果に。

国家安全法で危ぶまれる国際金融センターとしての香港 ― リスクは高まるものの、大幅な地位低下の公算は小 ―(PDF:279KB)
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