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ビューポイント No.2020-001

【新型コロナシリーズ3】
新型コロナ禍におけるスタートアップへの期待

2020年04月07日 岩崎薫里


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に流行するなか、さまざまな国のスタートアップが以下のような製品・サービスを提供して対策支援に乗り出している。
 オンライン診療を支える遠隔モニタリング・ツール
 検査体制が不十分な環境下でも利用可能な検査キット
 治療薬の開発支援
 ポータブル人工呼吸器
 医療物資のドローン配送
欧州委員会やイスラエル政府も、COVID-19 対策においてスタートアップが果たし得る役割の大きさを認識し、その活動を支援している。

パンデミックや経済的混乱などの災禍は、新しいニーズや価値観、生活様相を誘発し、それらに対応するスタートアップの設立や飛躍をもたらす。これは、図らずも災禍がスタートアップの真価を発揮する機会となるためである。過去においても、中国でのSARS の蔓延がアリババ、リーマン・ショックが数多くのフィンテック・スタートアップ、リーマン・ショック後の不況がAirbnb とUber の躍進につながった。COVID-19 による災禍の規模と広がりを踏まえると、これを機に過去と同様に大きく成長するスタートアップが出現する可能性は十分考えられる。

わが国では2014 年頃に始まった第4 次スタートアップ・ブームのもと、数多くのスタートアップが立ち上がり、そこへ優秀な人材が流入している。しかも、最近のスタートアップ起業家は、社会をよくしたい、目の前の課題を解決したい、といった想いを強く抱いている。未曽有の災禍を前に、わが国でも数多くのスタートアップがその真価を発揮してCOVID-19 克服に向けて活躍する、あるいはポストCOVID-19を見据えてさまざまな事業に挑戦する、そのような展開になることを期待したい。これが実現すると、COVID-19 収束を加速させるとともに、ポストCOVID-19 の社会・経済の礎となり得るイノベーティブな製品・サービスが誕生することになる。また、それらを提供することができる存在としてスタートアップの役割が広く認知され、わが国においてスタートアップの立ち上げが単なるブームを超えて定着していくであろう。

新型コロナ禍におけるスタートアップへの期待【新型コロナシリーズ3】(PDF:595KB)
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