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リサーチ・アイ No.2019-060

2019~2021年度改訂見通し― 新型コロナの影響拡大で景気は大きく下振れ ―

2020年03月09日 村瀬拓人


2019年10~12月期の2次QEは、実質GDP成長率が前期比年率▲7.1%(前期比▲1.8%)と、設備投資、公共投資、在庫投資の下振れを背景に、1次QE(同▲6.3%、同▲1.6%)から下方修正。消費増税後、日本経済が下振れている姿が一段と鮮明に。

今回の改訂見通しでは、予想を上回る新型コロナの影響拡大を受け、成長率見通しを大幅に下方修正。まず、2020年1~3月期は、2四半期連続のマイナス成長に陥る可能性が大。中国人観光客を中心としたインバウンド需要の減少やアジア経済の下振れを背景に、輸出は大幅に減少。さらに、国内での感染者数の拡大を受け、国内家計の消費活動も大きく冷え込んでおり、個人消費も2四半期連続のマイナスに。企業も、先行きの業績を見通しにくいなか、設備投資に対する慎重姿勢が広がる見込み。

その後の景気動向は、新型コロナの流行状況に左右される見通し。新型コロナの終息時期を予想するのは難しいものの、政府が不要不急の外出の自粛を呼びかけているため、現時点では、4月中に国内での感染者数の拡大に歯止めがかかると想定。流行が収束に向かえば、インバウンド需要や国内家計の消費活動は持ち直しへ。先送りされた企業の設備投資も顕在化することで、高めの成長率が実現する見通し。ただし、インバウンド需要や国内家計の消費活動への悪影響を完全に払しょくするには時間を要するため、経済活動が正常化するのは、早くても年央頃と想定。

結果として、2019年度の成長率は▲0.0%、2020年度は+0.2%と、両年度ともにほぼゼロ成長にとどまる見通し。新型コロナの流行がさらに長期化・深刻化すれば、需要の落ち込みが厳しい小売業やサービス業、製造業などで企業の倒産が広がりかねず、2年連続のマイナス成長に陥る可能性も。

2019~2021年度改訂見通し― 新型コロナの影響拡大で景気は大きく下振れ ―(PDF:192KB)
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