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リサーチ・アイ No.2019-035

2019~2020年度改訂見通し― 内需にけん引される形で、緩やかな景気回復が持続 ―

2019年11月14日 村瀬拓人


2019年7~9月期の実質GDPは、前期比年率+0.2%(前期比+0.1%)と4四半期連続のプラス成長になったものの、成長ペースは4~6月期(前期比年率+1.8%)から大きく減速。主因は、訪日韓国人の減少を受けたサービス輸出の下振れと、在庫投資の減少。一方、国内最終需要は堅調に推移。消費増税前の駆け込み需要を背景に、個人消費が2四半期連続で増加したほか、設備投資も高めの伸びに。最終需要が増加するなかでの在庫投資の減少は、企業の在庫調整の進展を示唆しており、景気の先行きに対し明るい材料。

先行きを展望すると、増税に伴う駆け込み需要の反動減や家計の購買力低下が景気を下押しすることで、短期的には減速感が強まる見込み。10~12月期の実質GDPは、5四半期ぶりのマイナス成長に。

もっとも、2014年の増税時のような個人消費の深刻な落ち込みは避けられる見通し。増税前の駆け込み需要の盛り上がりが限定的だったことから、前回増税時のような大幅な反動減が生じる可能性は小。雇用者数の増加が続くなど家計の所得環境も着実に改善していることから、駆け込み需要の反動減が一巡するにつれて、消費は再び緩やかな増加基調に復帰する見通し。

一方、設備投資も、人手不足や働き方改革を背景とした省力化投資や、老朽化した設備の更新、新技術の活用のための省力化投資など、構造的な要因がもたらす投資需要が強いことから、増加基調が続く見通し。海外経済の不透明感は依然として強いものの、世界の半導体市場の持ち直しなどを背景に、輸出の減少に歯止めがかかりつつあることも、製造業の投資マインドにプラスに作用。

以上を踏まえると、2020年入り後、景気は再び緩やかな回復軌道に復帰する見通し。2019年度の成長率は+0.8%、2020年度は+0.7%と、消費増税下でも底堅い成長が続く見通し。

2019~2020年度改訂見通し― 内需にけん引される形で、緩やかな景気回復が持続 ―(PDF:195KB)
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