2006年度は実質2.4%成長、07年度は2.5%成長を予想 |
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内閣府が6月12日に公表した1~3月期2次QEによると、実質成長率は前期比年率+3.1%と、1次QEの同+1.9%から上方修正。 需要項目別にみると、設備投資(実質値の前期比年率+12.9%←1次QEでは+5.8%、1~3月期法人季報を反映)、公共投資(同▲2.5%←▲13.2%、3月建設総合統計を反映)の大幅上方修正が、全体の修正に大きく影響。 この結果、2005年度の成長率は実質+3.2%、名目+1.9%と、1次QEからそれぞれ+0.2%ポイントずつ上方修正。加えて、2006年度実質成長率に対する「ゲタ」は+1.3%ポイントと、1次QEから+0.25%ポイント上昇。 |
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一方、5月中旬以降、内外株価が軟調に推移。米国金融政策への不透明感の強まりに伴う世界的なリスクマネーの縮小が大きな背景とみられるが、国内では、監査法人の行政処分や著名ファンドの不正疑惑も下押し要因に。 近年、個人消費と国内株価との連動性・感応度が強まってきていることを踏まえると、目先の個人消費にマイナス影響が及ぶ可能性をみておく必要。 なお、足元の個人消費には、天候不順も下押し要因として幾分作用している公算。 |
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以上の材料をもとに、当社では、2006年度の成長率予測について、個人消費を5月予測(1次QE後)から若干下方修正する一方、設備投資・公共投資を上方修正。この結果、全体の成長率は、実質・名目ともに+0.1%ポイントの上方修正。 もっとも、国内株価が今後、企業活動の着実な拡大、政局の混乱回避を確認しつつ、次第に落ち着きを取り戻していくことを前提にすれば、景気の基調に関する従来の見方を変更するまでには至らないと判断。 よって、2007年度の成長率予測値については、基本的に5月予測から変更なし。 |
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【わが国経済成長率・物価見通し】

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(資料) 内閣府。予測は日本総研。 (注1) 予測の際、以下の諸点を前提としている。 ①米国景気は、住宅価格の騰勢鈍化などを背景に2007年春にかけ小幅減速(実質成長率は05暦年:+3.5%、06暦年:+3.6%、07暦年:+3.1%)。 ②原油輸入価格(入着CIF、1バレルあたり、年度平均)は、2005年度:55ドル<実績>、06年度62ドル、07年度68ドル。 ③円ドル相場(年度平均)は、2005年度:113円<実績>、06年度:109円、07年度:107円。 ④日銀は本年夏場にもゼロ金利を解除(0.25%利上げ)。その後も、ほぼ半年に1度、0.25%ずつのペースで政策金利を引き上げ。 ⑤定率減税は2007年1月に全廃。 (注2) 2008年度に消費税率を引き上げる場合の影響(駆け込み需要の発生など)は考慮していない。 (注3) 5月23日公表(1次QE後)の成長率予測値は以下の通り。 <実質>2005年度:+3.0%→06年度:+2.3%→07年度:+2.5%。 <名目>2005年度:+1.7%→06年度:+1.8%→07年度:+2.7%。 |
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