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リサーチ・アイ No.2019-026

日銀短観(9月調査)予測― 輸出の回復の遅れや円高により景況感は悪化も、設備投資は堅調 ―

2019年09月12日 北辻宗幹


10月1日公表予定の日銀短観(9月調査)では、製造業の景況感はアジア向け輸出の低迷や円高による収益下押しを受け悪化する一方、非製造業は堅調な内需を背景に改善する見込み。
   
大企業・製造業の業況判断DIは、前回調査対比▲5%ポイントの悪化を予想。中国などアジア向け輸出の力強さを欠く動きに加え、円高の進行による企業収益の悪化が景況感の下押しに作用。DIの水準は、かろうじてとプラスを維持するものの、対象企業見直しの系列を含め2013年3月調査以来の低水準。業種別では、円高による収益下押しへの影響が大きい自動車など機械産業を中心に悪化する見込み。一方、大企業・非製造業の業況判断DIは、同+2%ポイントの改善を予想。悪天候によって個人消費は下振れたものの、一部で消費増税前の駆け込み需要が生じているほか、堅調なソフトウェア投資も景況感の押し上げに寄与し、小売、情報サービスを中心に改善。

中小企業の業況判断DIは、前回調査対比▲2%ポイントの悪化を予想。人手不足を背景とした人件費の増加や原材料費の高止まりが景況感を下押し。

先行き(12月調査)は、全規模・全産業で9月調査対比▲4%ポイントの悪化を予想。米国の保護主義的な通商政策など、海外情勢の先行き不透明感に加え、駆け込み需要の反動による個人消費の落ち込みへの懸念が、業況見通しに反映され、製造業、非製造業ともに悪化する見込み。

2019年度の設備投資額(土地投資を含み、ソフトウェア投資を除く)は、全規模・全産業ベースで前年度比+3.4%と、前回調査対比+1.1%ポイントの上方修正を予想。

大企業・製造業では、前回調査対▲0.3%ポイントの小幅下方修正を予想。海外情勢の不透明感の高まりが投資の先送りに作用するものの、老朽化した既存設備の更新投資などが下支えとなり、例年の足取りに沿った修正となる見込み。大企業・非製造業では、同+0.3%ポイントと、小幅上方修正を予想。人手不足や働き方改革を背景とした合理化・省力化投資を中心に堅調に推移する見通し。

一方、中小企業は、全企業ベースで前年度比▲5.0%と前回調査対比+4.7%ポイントの上方修正を予想。大企業と同様、設備投資需要が引き続き見込まれていることから、例年並みの上方修正となる見通し。

先行きも、設備投資は堅調を維持する見込み。米中貿易摩擦をはじめとする海外情勢の不透明感が重石となるものの、人手不足を背景とする省力化投資などが下支えとなり、非製造業を中心に増加基調が続く見通し。

日銀短観(9月調査)予測― 輸出の回復の遅れや円高により景況感は悪化も、設備投資は堅調 ―(PDF:306KB)
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