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リサーチ・フォーカス No.2019-015

印パ対立の新展開とインド経済・日系企業への影響

2019年08月20日 熊谷章太郎


8月5日、インド政府がジャンム・カシミール州に対して広範な自治権を認める憲法370 条を廃止したことをきっかけに、印パ間の緊張が高まっている。パキスタンは、インドとの貿易を全面的に停止するなど対抗措置に乗り出しており、経済面にも影響が広がり始めている。

今回の事態がインド経済や在印日系企業に与えるマイナス影響は、①インドの貿易・投資・観光などにおけるパキスタンへの依存度は極めて低いこと、②ジャンム・カシミール州のGDP はインド全体の1%程度にすぎないこと、③この問題をきっかけとした諸外国とインドの間の通商対立は発生していないこと、などを踏まえると短期的には限られよう。

ただし、印パ対立の一段の悪化・長期化は、南アジア地域の経済統合に向けた取り組みの停滞を通じて、同地域の中長期の経済成長ポテンシャルに対してマイナス影響をもたらす恐れがある。地域経済統合の遅れは、インド周辺国への事業展開を睨んだ多国籍企業の対印投資を阻害する。また、インド周辺国に対しては、輸送コストの高止まりを通じて経済成長を抑制すると見込まれる。

印パ対立の新展開とインド経済・日系企業への影響(PDF:968KB)
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