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【次世代農業】
農業ビジネスを成功に導く10のヒント ~有望な新規事業の種はどこに埋まっているのか?~ 第1回 急拡大する農業ビジネスのチャンスと課題

2016年05月24日 三輪泰史


 近年、農業ビジネスに対する高い関心が続いています。大手企業の農業参入がたびたび誌面をにぎわし、その勢いはいっそう加速しているように見えます。大手企業の中では、農業分野の新規事業を検討することが、一つのトレンドとなっているとさえ言えるかもしれません。農業への注目度が高まる中、政府は農業を成長産業の一つと位置付け、積極的な規制緩和や支援策を打ち出してきました。

 他方で、先行して農業参入した企業の中には、伸び悩むところも複数、出始めています。一部の企業は業績不振に伴い農業ビジネスから撤退してしまいました。企業型の農業が直面する課題として、高コスト体質や事業規模の小ささが挙げられます。大企業並みの人件費や間接費の水準を農業ビジネスに適用すると、事業採算は極端に悪化します。また、農業で年商10億円、100億円のビジネスを早期に立ち上げるのは容易ではありません。企業が新規事業に求める事業規模や利益率を達成するためには、単純に従来型農業に参入するだけでは不十分と言えます。企業や大手農業法人が農業ビジネスで成功を収めるためには、従来型農業が抱えている課題を解決するためのソリューションやシーズが不可欠となります。

 日本総研はこれまで国内外の多くの農業ビジネスの立ち上げを支援しており、プロジェクトに携わる研究員は、農業ビジネスの現場でさまざまな成功要因・失敗要因を肌で感じてきました。また、各地で年商数十億円を稼ぐ農業法人も数多く台頭しており、地元農業の雄として活躍を見せ始めています。個人農家から大手農業法人へのステップアップについて成功の道筋が見えるようにもなってきました。これまで農業は「衰退産業」と捉えられてきましたが、その中から「儲かるビジネス」が見出せるようになってきたと評価しています。今回の連載では、農業分野に携わる研究員が豊富な経験をもとに、各人の独自視点をもとに儲かる農業ビジネスを実現する10のヒントを提示していきます。

 10のヒントを選ぶ際には、あえて統一的なテーマを設定せずに、オムニバス形式としてビジネスモデル、マーケティング、技術等、さまざまな角度から10のヒントにスポットライトを当てていきます。例えば、ICT/IoTの農業分野での活用、次世代型植物工場の展開、機能性農産物のブランド化、伝統野菜のマーケティング、ジャパンブランド農産物の海外展開、等の注目トピックを取り上げる予定です。

 これから約1年にわたってお送りする本連載が、農業ビジネスの立ち上げを目指す方々の一助になれば幸いです。


※執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。