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《2011~12年度見通し》
低成長が続くわが国経済

2011年11月25日

【要 約】

1.東日本大震災後に落ち込んだわが国経済は、春以降、回復・復興の動きに支えられて急速に立ち直り。もっとも、夏場から鉱工業生産の減速が明確化。内需は底堅さを維持しているものの、アジア向け輸出が弱含みに転じたことが主因。当面、外需の行方が大きなカギ。

2.海外景気は減速傾向が続くため、輸出は弱い動きが続く見通し。米国や一部新興国で底堅さがみられるため、海外景気が大きく落ち込むことはないとみられるものの、1)欧州金融危機の深刻化、2)中国経済の失速、3)タイ洪水の長期化、などのリスク要因もあるため、先行きは予断を許さず。
加えて、円高による競争力の低下も輸出の下押し要因に。とりわけ、わが国と輸出品目が重なっている韓国に対する競争力低下が深刻。米国・中国などの市場でも、日本製品のシェアが大きく低下。
わが国輸出は、海外景気の減速と円高の影響で、減速感が強い状態が続く見通し。

3.一方、内需は、力強さは期待できないものの、緩やかに回復する見込み。
(1)復興需要
瓦礫の処理が進むにつれ、民間建築や住宅着工が徐々に本格化。2012年入り後、景気押し上げ効果が急拡大する見通し。
(2)家計部門
所得環境は総じて底堅さ。消費マインドの改善により、震災後に大きく落ち込んだ個人消費は徐々に回復に向かう見込み。もっとも、2012年度入り後は、自動車販売が弱含みに転じる可能性。また、家計負担も拡大するため、この分、個人消費の回復力は緩やかに。
(3)企業部門
企業収益の回復、設備過剰感の減衰を受け、設備投資は緩やかに増加する見通し。もっとも、設備投資の水準はリーマン・ショック前を大幅に下回る状態は長期化する公算大。背景に海外生産シフトの加速。円高などにより国内での事業環境が厳しくなっており、輸出採算が合わない状況に。

4.以上のように、1)外需の牽引力低下、2)生産拠点の海外シフト、などを背景に、2012年度いっぱいは低めの成長にとどまる見通し。ただし、1)新興国景気の底堅さ、2)復興需要の顕在化、3)個人消費の持ち直し、なども期待できるため、景気の腰折れは回避可能。2011年度の成長率はゼロ%台、2012年度は2%程度になると予想。

本件に関するお問い合わせ先

調査部 マクロ経済研究センター 主任研究員 枩村 秀樹
TEL: 03-3288-4524
E-mail : matsumura.hideki@jri.co.jp

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