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Business & Economic Review 2011年6月号

リーマン・ショック後の生産動向にみるわが国製造業の課題

2011年05月25日 西浦瑞穂


要約

  1. リーマン・ショック後のわが国の生産回復ペースはアジア各国は言うに及ばず、欧米と比べて見劣りする。この背景には、①成長するアジアの需要を取り込めていないこと、②国際的サプライチェーンにおいて中国に代替されていること、③外需面での劣勢をカバーするほど内需が強くないこと、の3点がある。


  2. 前の景気回復局面と比較すると、2000年代前半からリーマン・ショックまでの局面では地域別には中部・九州など日本をリードするエンジンが存在したものの、今回はどの地域もおしなべて低迷している。また、財別には中間財の落ち込みが生産の足を引っ張っている。


  3. わが国製造業の体力は低下する過程にあり、震災からの復興にあたっては中途半端な施策では製造業は立ち直らないとみておくべきである。工場・研究施設の海外流出や海外企業による生産代替の加速を防ぐために、①法人税率の大胆な引き下げ、②設備投資・研究開発投資に対する税制上の強力なインセンティブ、③西日本への生産・研究施設シフトに対する税制上の優遇、④TPPをはじめとする自由貿易の推進、をスピーディに実行することが必要と考えられる。
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