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菅新政権が示した成長戦略への評価は…

2010年07月06日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2010/07/06)
菅新政権が示した成長戦略への評価は概して高いようです。国内を見れば少子高齢化等により市場が萎む一方で、海外では中国、韓国の台頭が著しいことを背景とした危機感の表れでしょう。

しかし、考えてみると、成長戦略という言葉こそ使われなかったものの、時の政権は常に経済成長のための政策を打ってきたはずです。経済が成長するか否かは、どのような政策を掲げるか以上に、いかに政策を実現するかにかかっていると言えます。そこで重要になるのが、既得権、既得概念をいかに払拭するかです。昨年の政権交替に対する期待感もこの点にあったはずです。

成長戦略の一つの目玉になっているのが新興国のインフラ、特に、環境指向の強いグリーンニューディール関連の市場です。成長性の面でも革新性の面でも重要であることに間違いありませんが、世界中の有力企業が狙っている厳しい市場でもあります。そこで成功を収めるには、競争性重視の姿勢を徹底することが不可欠です。

国内では、単品の技術輸出ではなく、パッケージ化されたシステムを供給することが重要、という考え方が一般的になりつつあります。環境、エネルギー分野での技術動向を踏まえた正しい考え方なのですが、問題もあります。競争力のない技術や製品でも、システム化のための投資をすれば市場参入ができる、という思いが垣間見えるからです。新しい枠組みが取り入れられても横並び意識が排除できないのでは成果は期待できません。

どんな政策が取られようが旧来構造からの転換が前提になる、という理解が重要なのだと思います。

[ Ikuma's Photo ]
[写真上]鬱陶しい季節ですが、木立を覘くとアジサイが咲き誇っています。
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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