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今年のゴールデンウィークは天気に恵まれました。...

2010年05月11日 井熊均



「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2010/05/11)
今年のゴールデンウィークは天気に恵まれました。4月が例年にない低温と雨がちな天気に見舞われたこともあり、5月の青い空と新緑が目に染みました。こんな時には、「日本は本当に美しい」と思います。

一泊の短い旅行でしたが、近場の箱根に行ってきました。山々と湖に囲まれた温泉地として有名な箱根ですが、多くの美術館が立地することでも知られています。一日、一つずつ美術館を巡りましたが、そのうちの一つが、Open Air Museumと呼ばれる、彫刻の森美術館です。山に囲まれた庭園のような敷地を散策できることが魅力の場所ですが、何時も、ここに来る一つの目的は「ピカソ館」に足を運ぶことです。

世界中の彫刻を集めた美術館であるため、館内にはピカソ晩年の陶器を中心とした作品が展示されています。近代芸術の世界で天才の名をほしいままにしたピカソの技巧の高さは、彼を有名にした抽象画だけでなく、デッサンやスケッチなどにも見ることができます。しかし、ここに飾ってある陶器の多くは、技巧という言葉とはかけ離れた奔放な作品ばかりです。

20年くらい前、この美術館で「ようやく、子供のような絵が描けるようになった」というピカソの言葉を知りました。天才芸術家が数十年の創作活動の末に行き着いた言葉に打たれた時のことは今でもよく覚えています。

ピカソは晩年になるにつれ、創作活動が一層旺盛になったと言われます。天衣無縫。長い道のりの果てに求めたのは、そのことだったのかもしれません。子供のように奔放な大量の作品を目の前にしていると、何かと目先の知識や技巧に踊らされがちな、ついエクスキューズしがちな我々に対する無言の指摘が聞こえてくるようです。

[ Ikuma's Photo ]
[写真上]箱根彫刻の森美術館にあるピカソ館です。
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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