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Business & Economic Review 2010年4月号

【特集 金融危機後の欧州経済】
国際通貨としてのユーロの将来像

2010年03月25日 牧田健


1.はじめに
1999年の発足来、ユーロはドルに次ぐハード・カレンシーとしてその存在感を高めてきた。とりわけ、サブプライム問題等によりアメリカ金融市場が混乱し始めた2007年以降は、ドルに対する信認が大きく低下するなか、ドル離れの受け皿通貨としてユーロに対する選好が強まり、2008年8月には一時発足来高値となる1.6ドル台までユーロ高が進行した。
もっとも、リーマン・ショックが発生した2008年9月以降は、逆にユーロは急落した。ユーロ急落の要因の一つには、金融危機の欧州への波及が挙げられるが、金融市場が収縮し混乱するなかでの急激なドル高ユーロ安の進行は、基軸通貨としてのドルの頑強性ならびにユーロの脆弱性を映しだした。さらに、2009年秋以降は、ギリシャの統計粉飾問題が表面化したことを契機にユーロ圏諸国の財政赤字問題が改めてクローズアップされ、ユーロ安が加速する展開となった。
ユーロ加盟国の財政赤字問題は、統一通貨ユーロが導入される以前から問題視されていた。しかし、こうした問題に抜本的解決を見ないまま、ユーロ導入は政治的に見切り発車された。加えて、ユーロ発足以来域内景気がおおむね順調に推移してきたことで、こうした問題点は覆い隠され続けていた。足許のユーロ安は、第二次世界大戦後で最大規模の景気後退に直面するなか、統一通貨ユーロが抱える構造的な問題が表面化したものに他ならない。
以下では、ユーロが抱えているさまざまな問題点を概観したうえで、今後ユーロは国際的にみていかなる位置付けの通貨となっていくのかについて検討する。
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