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リサーチ・レポート No.2026-003

【2026~27年世界経済見通し】底堅い成長が続く世界経済~リスクは地経学的分断とAI過剰投資~

2026年06月30日 若林厚仁


世界経済は、ホルムズ海峡経由の原油輸送の正常化を前提とすれば、米国の関税影響の緩和や、旺盛なAI投資、緩和的な金融・財政政策などを背景に、底堅い成長が続く見通しである。世界経済における最大の景気後退リスクであったイラン軍事衝突については、6月の米国・イランの暫定合意を受けて鎮静化し、中東原油生産も2026年末頃までに紛争前水準まで回復すると想定している。

もっとも、米国・イランが最終合意に至るかは予断を許さず、ホルムズ海峡の正常化が大幅に遅れることで世界経済が下振れする可能性は残る。また、最終合意に至ったとしても、米中・欧露・中東などの地政学的緊張の高まりにより、世界の貿易や資本移動は断片化(ジオエコノミック・フラグメンテーション)が進んでおり、供給制約や中長期的な成長の停滞が起こりやすくなっている。

加えて、現在の世界経済のけん引役であるAI投資が過剰投資とみなされ、本格的な調整局面に入った場合、半導体需要の急減や金融資本市場の混乱を通じて、世界経済は大幅に減速する可能性がある。AIは生産性の向上を通じて中長期的に世界経済を押し上げる可能性はあるものの、その動向には引き続き細心の注意を要する。


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