ビューポイント No.2026-004 米中北京首脳会談で想定される論点 ―休戦の延長と対立の管理― 2026年05月11日 福田直之トランプ米大統領は、2026年5月14〜15日に北京で習近平国家主席と会談する予定である。米大統領の訪中は 2017 年 11 月以来、約8年半ぶりで、今回の会談は2026 年の米中首脳外交の前半戦に位置づけられる。今回の北京での会談(北京会談)の注目ポイントとして、以下、①通商分野(関税・輸出管理をめぐる休戦の延長と、米国産農産品・エネルギーの対中輸出拡大)、②技術・重要鉱物分野(米国の対中技術規制と中国の希土類輸出管理)、が挙げられる。 通商分野において、関税面の論点は既存関税の水準、凍結期限、例外措置の管理である。中国側の希土類関連輸出管理の停止期限や例外運用も論点となる可能性がある。一方、エネルギー面では、中東情勢の悪化、ホルムズ海峡の通航制約、イラン産原油への依存が、中国の調達先分散の必要性を高めている。このため、米国産原油・天然ガスの購入拡大は、米国にとって輸出拡大の成果となり、中国にとっても調達安定化の選択肢となり得る。 技術・重要鉱物をめぐっては、米国の対中技術規制と中国の希土類輸出管理が主要な交渉材料であり続ける。釜山会談後、一部措置は停止・緩和されたが、全面解除ではない。北京会談で確認すべき点は、希土類供給の安定化、技術輸出規制の一部運用調整、貿易・投資管理メカニズムの設計・検討などである。また、AIに関する対話の可能性も報じられている。 以上のような議論が予想されるが、今回の北京会談は、包括的な妥結ではなく、限定的な休戦延長を確認する場となる公算が大きい。一方で、台湾問題、先端半導体規制、中国企業への制裁、対米投資制限をめぐる対立は残るだろう。米中関係を一気に好転させる場というより、摩擦を一定範囲に封じ込めるための危機管理の機会としてみるべきである。 (全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)