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リサーチ・フォーカス No.2025-053

欧州中央銀行(ECB)におけるCBDC(デジタルユーロ)発行に向けた動きと主な論点

2026年01月13日 桂田健吾


欧州中央銀行(ECB)は2025年10月、欧州議会及び欧州理事会による法整備を前提に主要先進国としては初めて、中央銀行デジタル通貨(CBDC)である「デジタルユーロ」を2029年にも発行する方針を公表。背景には、ユーロ圏全域で利用可能な域内の決済ネットワークがなく、国際ブランド(VISA、Mastercard)に過度に依存せざるを得ないユーロ圏特有の事情が存在。ECBはデジタルユーロ導入を通じて通貨主権の強化を図る方針。

デジタルユーロは、金融機関を介した二層構造を採用し、個人利用者が現金と同様に店舗支払いなどで利用できるよう、店舗には受け入れ義務が課される見込み。また、既存の決済ネットワークと相互運用性を確保するほか、オフライン機能も検討。

ECBは、普及促進の観点から金融機関が店舗に請求する手数料に上限を設けるほか、預金の過度な流出を防ぐため保有上限を設定する方針。ECBは、上限を1人当たり3,000 ユーロとした場合、預金流出による金融システムへの影響は限定的とのシミュレーション結果を公表。

一方、ユーロ圏の金融機関はECBの構想に対して一部で課題を指摘。具体的に、手数料規制によって初期投資や運営コストの回収が困難になるリスクを懸念しているほか、保有上限についてもより少額を要求。こうした論点は、今後、導入に向けた準備が進むなかで、ECBと金融機関の間で主要な論点となる可能性。

わが国においても、CBDC(デジタル円)導入に向けた検討が進んでおり、今後、発行の要否を判断する見通し。今後のわが国としてCBDCの検討を進めるにあたっては、①ECB で議論されている論点には参考となるものが多いため、デジタルユーロの検討状況や普及状況を注視すること、②デジタル円の制度設計にあたっては、流通を担う金融機関の懸念を踏まえ、過度な負担を強いる制度とならないよう丁寧な議論を重ねること、③普及促進に不可欠となる個人利用者に対する独自の付加価値を検討し、提示すること、の3点が必要。


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