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JRIレビュー Vol.1, No.128

関西経済見通し

2025年12月26日 藤山光雄西浦瑞穂


関西経済は、生産や輸出に弱さがあるものの、設備投資の増加や個人消費の持ち直しにより、緩やかな回復が続いている。

先行きを展望すると、企業部門では、輸出が中国向けの不振を背景に伸び悩む見通しである。関西の輸出は全国に比べて中国向けのシェアが大きく、中国経済が減速すると負の影響を受けやすい。加えて、アジア新興国向け輸出においても、対米輸出の制約で他国への供給圧力が増す中国製品との競争激化が関西の輸出の下押し圧力となる。輸出の伸び悩みを背景に、企業の生産活動の本格的な回復を見通すことは難しい。ただし、人手不足を背景とする省力化・デジタル化投資の根強い需要が下支えとなり、設備投資は引き続き堅調に推移する見込みである。

家計部門では、賃上げの持続とインフレ圧力の落ち着きを受けて、実質賃金の上昇が徐々に定着していくと予想する。こうした所得環境の改善に支えられ、個人消費は緩やかな回復が続く見込みである。

以上を踏まえると、関西の実質経済成長率は、2026年度+0.7%、2027年度+0.8%と、ゼロ%台後半で推移すると予想する。中国経済の減速が重石となり、外需の回復は期待できないものの、内需が底堅く推移し、緩やかな景気回復が持続する見通しである。

関西経済の着実な成長に向けて取り組むべき課題として、①インバウンド需要の多角化、②製造業の生産性向上、③ポスト万博に向けた取り組み、が挙げられる。


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