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リサーチ・フォーカス No.2025-048

「世界のスマートフォン工場」を目指すインド ~ 市場の成長エンジンは「国内出荷台数」から「価格と輸出」へシフト ~

2025年11月11日 熊谷章太郎


世界のスマートフォン生産・販売市場におけるインドのプレゼンスが高まっている。同国のスマートフォン市場の現状と先行きを展望する際におさえておくべきポイントとしては、以下の3点を挙げられる。

①国内市場のけん引役は台数から価格へシフト:2010年代は国内出荷台数の急増がスマートフォン市場の拡大をけん引した。人口動態やスマートフォンの保有率などを勘案すると、出荷台数には一段の増加余地が存在する。しかし、2020年代入り後、原材料価格の高騰や高性能化に伴う端末価格の上昇、低所得者層の所得の伸び悩みなどを理由に、出荷台数は横ばい傾向が続いている。

②外需依存度が上昇:従来、インドで生産されるスマートフォンの大半は国内で販売されてきた。しかし、手厚い補助金制度の導入や米中対立の激化などを受けて、2020年代に入ると米国向けを中心に輸出が急増し始めた。米国の政策変更に起因する輸出減少リスクを抑制すべく、インドは輸出先の多様化を目指している。

③現地調達率の引き上げは道半ば:当初、インドのスマートフォン生産は外資主導の最終組立が中心であったが、2020年代に入ると地場企業による生産が拡大するとともに、部品の現地調達率も大幅に上昇した。しかし、半導体を中心に付加価値の高い部品や素材は輸入に依存する状況が続いており、付加価値ベースでみた現地調達率の引き上げは道半ばと判断される。


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