リサーチ・アイ No.2025-040 親と同居する未婚就職氷河期世代の実情と課題 ― 親の介護などで70万人が経済的困窮に陥るおそれ ― 2025年06月18日 下田裕介就職氷河期世代のうち、未婚で親と同居する人は250万人弱で、全体の1~2割(未婚者のなかでは約6割)を占める。前世代対比、厳しい雇用所得環境に置かれてきたなか、結婚を望むも経済的理由から難しく、親の収入・資産に頼る形で生活を維持してきたケースも。同世代が順次50歳代を迎えるなか、今後は親の介護に直面する年代に。これまでの「親に頼る」立場から「親に頼られる」立場となり、負担が増大。経済的に困窮する層も増加するおそれあり。就職氷河期世代のうち、未婚で親と同居する非就業者や非正規雇用者を、親の介護や死亡を受けて経済的に困窮する層と想定し、該当数を試算したところ、2020年時点で同世代全体で約70万人が該当する結果に。バブル世代、新人類(後期)の同年齢時と比べて人数も割合も大きいほか、就職氷河期世代では、非正規雇用比率が高い女性の方が多い傾向あり。今後、介護をきっかけに経済的に困窮する就職氷河期世代が増加するとみられるなか、雇用形態にかかわらず仕事と介護を両立しやすくするための支援が重要に。とりわけ相対的に介護負担が重いとみられる単身女性に対しては、一部の自治体での取り組みを参考に、就業支援に加えて、孤独や孤立による精神的な不安を軽減する福祉面からの支援も必要。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)