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リサーチ・フォーカス No.2025-020

ノンバンクセクター(NBFI)に求められるレバレッジに係るリスクへの対応

2025年06月18日 谷口栄治


2024 年12 月、金融安定理事会(FSB)は、投資ファンドをはじめとするノンバンクセクター(Non-Bank Financial Intermediation:NBFI)のレバレッジに係るリスクについて、政策提言案を公表。

レバレッジ取引とは、借入やデリバティブを利用して投資リターンの向上を図る金融行動であり、足元にかけて資産規模が増大するNBFI セクターでも同取引が増加。

NBFI のレバレッジリスクについては、①レバレッジ取引の解消により、資産価格下落をもたらす「ポジション清算チャネル」、②NBFI の破綻が取引相手や金融市場全体に損失をもたらす「カウンターパーティチャネル」、を通じて、大規模な金融リスクにつながる恐れ。

実際、本年4月に公表された国際通貨基金(IMF)の「Global Financial StabilityReport」のなかで、銀行セクターとNBFI セクターの連関性の高まりが金融リスクにつながる恐れがあると指摘。

このようなリスクに対し、FSB の政策提言案では、①開示や報告等を通じたデータギャップへの対応、②金融リスクを抑制するための適切な措置(一部の金融行動に対する措置(アクティビティベース)、個社に対する措置(エンティティベース)、等の組み合わせ)、③カウンターパーティリスクの管理、等を要請。

金融システムにおけるNBFI セクターのプレゼンスが高まるなか、各国金融当局や金融機関には、今回指摘されたレバレッジに係るリスクへの備えを強化することが求められるほか、今後もNBFI セクターに対して、さらなる規制・監督強化が打ち出される公算。

わが国金融セクターとしては、①金融庁によるファンドモニタリング調査や日本銀行の金融システムレポート等を通じて、当局としてNBFI 発の金融リスクに関する情報を収集、発信することでデータギャップの解消を図るとともに、②リスク管理を前提としたうえで、間接金融主体の金融システムからの転換を図るため、本邦NBFI セクターの健全な育成、強化に努めていく必要あり。


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