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リサーチ・アイ No.2025-026

地政学的リスク上昇による金融資本市場及び金融セクターへの影響 ~地政学的リスクの高まりに対し、金融セクターとしてリスク管理体制の高度化が急務に ~

2025年05月19日 吉田剛士


国際通貨基金(IMF)は、2025年4月に公表した国際金融安定報告書(GFSR)において、足元で急速に高まる地政学的リスクを受けた金融資本市場や金融セクターへの影響を検証。自国内で地政学的リスクイベントが発生すると、特に新興国市場で株価下落・ソブリンリスク上昇が顕著にみられるほか、自国外でイベントが発生した場合でも貿易や金融のグローバルな繋がりを通じて、多くの国の金融市場に影響が波及。

さらに、地政学的リスクの影響は、資産価格の変動などを通じて金融システムにも波及。銀行やノンバンクの健全性・安定性、金融仲介機能などに悪影響を及ぼす可能性。

[銀行]
保有するクロスボーダー債権/債務の価格変動(債権評価損や資金調達条件の悪化)等を通じて、銀行のリスク許容度は低下。なかでも、新興国の銀行は貸出態度を厳格化。
[投資ファンド]
資産価格の急変動によって投資家からの資金償還要求の拡大やマージンコールの増加などが発生すると、投資ファンドは保有資産を売却。特に、投資家のリスク許容度が相対的に低い債券ファンドで資金純流入が減少。

以上を踏まえ、本邦金融セクターとしては、地政学的リスクを差し迫った危機として認識し、リスク管理体制を高度化する必要あり。具体的には、近隣国や進出国に係る地政学的リスクイベントの分析、それを踏まえたストレステストなどを実践していくことが重要に。


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